2012年12月13日木曜日

たまにはエッセイでも6「目指せ北海道」<その2>

<エッセイ1の続き>

石原家を後にした僕たちはまず高速道路に乗る車を探す事にした。
ヒッチハイクを始めてすぐに1台の車が僕たちの前に停まった。車の窓が「ウィーン」と空いて、そこにはヤンキー系のカップルの姿があった。
「何してるん?」と運転手の男性が言ってきたので「ヒッチハイクです」と石原が答え交渉が始まった。車の中を覗くと後ろの席がちょうど2人分空いているので乗せてもらえるかと思いきや半分バカにされた上に乗車拒否されてしまった。
直接的に乗車拒否されてしまったので、もうどんなに頑張ってもどうせ乗せてくれないだろうと諦めた僕だったが石原は諦めず交渉を続ける。
粘る石原の健闘虚しく結局乗せてもらうことは出来なかったが、このとき僕は石原のあまりの食付きに少しの恐怖と尊敬の念を覚えた。
それから少しして学生さんたちが乗る車が停まった。
北海道を目指してヒッチハイクをしている事を伝えると心良く僕たちを車に乗せてくれた。彼らの話を聞くと、何でも昔日本を一周したことがあるとの事。
意気投合した我々だったが、さすがに高速まで入るのは無理な様子。しかし、ここでも必死に石原が食い下がる。だが、さすがに高速までは入ってもらうのは無理だった。
高速に入る事は叶わなかったが、高速のインターまで運んでもらうことが出来たので、高速に入る車に乗せてもらうべくヒッチハイクを再開した。
しかし、ここで事件が起きる。
石原がまさかの「寝る」発言をしたのだ。
「寝る」発言の後、彼は道端に横たわり本当に寝てしまったのである。
僕は色々な意味で彼が信じられなかった。まだヒッチハイクを始めて1時間足らずだった事に加え、道端で横たわる彼の姿に野生の血を感じたのと同時に「神経あんのかコイツ?」と思ったのだ。正直、当時の僕は石原を呪った。(ちなみにこのことについては今でも根に持っている。)
愚痴を言っても石原は一向に起きる気配がなかったので仕方なく1人で目的地を書いた段ボールを掲げ頑張るがいっこうに車は停まってくれない。
1時間くらい経ったところで石原が起床。「さて、そろそろ始めるか」の一言。
僕がどんなに頑張っても停まらなかった車が彼の手にかかれば停まるのである。人柄なのだろうか。理不尽である・・・。
それはさておき、何とか高速に入り滋賀に到着することができた。
滋賀到着後、お互い疲れが出ていたのに加え、夜中だったのもあり乗せてくれそうな車もいなかったので朝まで少しの睡眠をとる事にした。
朝になり日が出てきたところでヒッチハイク再開。
とても感じの良いカップルを発見したので声をかけてみた。最初は嫌がっていた彼氏さんだったが以外にも乗り気だった彼女さんの説得もあり乗せてくれる事になった。おかげで滋賀から北の方向へ少し進むことができた。
乗せてくれた人たちとは目的地到着後に記念写真を撮ることにしていたのだが、何故か彼氏さんが写真を異様に嫌がっている。
僕たちも写真を撮る事に何か問題でもあるのだろうかと感じてきたので写真を断念しようとするが、ここでも彼女さんの説得もあり、車を写さないという不思議な事を条件に記念写真撮影にOKが出た。
後々思ったが、まさかパクった車だったんじゃなかったのかとか色々考えたが、嫌な予感しかしなかったので考えるのをやめた。
そんなこんなでそのカップルと別れた僕たちは高速の駐車場でヒッチハイクを再開した。
色々な人たちに断られるも、何とか乗せてくれる人が見つかった。
お次ぎは30代半ばくらいの夫婦だった。
車内での会話で何やらインドがお好きなような事を言っているので、インド好きの僕も話に加わるが全く相手にされない。内心、「本当にこの人たちインド好きなんか?」と思ったが乗せてもらっている身なので口には出来ない。
何と言うか不思議なカップルだった。
今度は今までの方たちとは少しタイプの違う紳士的なおじさんが車に乗せてくれた。何でも当時の僕たち(20、21歳くらい)と同じくらいの子供がいると言っていてとても優しいおじさんだった。
疲れていたというのも重なってなのだが、僕たちは好意で車に乗せてもらっているにもかかわらず車内で爆睡してしまうというとても失礼な事をしてしまった。おじさんが「着いたよ」と言って起こしてくれたので辺りを見渡すと何と名古屋の手前まできてくれていたのである。乗せてくれる際に「仕事の関係であまり遠くまでは乗せれないよ」と言っていたのにまさかこんなにも遠くまで走ってくれているなんて思いもしなかった。
本当に優しい紳士なおじさんだった。
お次ぎはブラジル人の家族が登場。日本語が通じるのが運転手である日本人の旦那さんとブラジル人の奥さんだけだったのだが、車が大きすぎるのに加え、家族が多過ぎで会話が成り立たない。子供たちや夫婦の親も含めて7人くらいいたんじゃないかと思う。
少し気まずい感じにもなったが無事に名古屋に到着。
その後、名古屋で家族でキャンプに来ていたという家族に乗せてもらう事が出来たのだが、終止奥さんは僕たちの事を怪しんでいた。
当時は怪しまれて少し悲しい気持ちになったが、今考えるとそんな事当たり前である。見知らぬ小汚い格好をした男2人が自分の子供が乗る車に乗車してきたらそれはとても嫌だろう。
僕自身、もし皆さんがヒッチハイカーを見つけたとしても乗せるのはお勧め出来ない。聞いた話であるが、ヒッチハイカーを装っての犯罪や、たかり等の行為を行うクズが実際にいると聞いたからである。まぁ、運転手本人が信頼出来ると確証を持った人物であったのなら話は別であるが気をつけて頂きたいと思う。
少し話が反れてしまったが、お次ぎは衝撃の親子の登場である。
父親と中学生くらいの男の子の親子であるが、まず、親父のDNAしか受け継いでいないんじゃないかと思うくらい見た目が本当にそっくりである。簡単に特徴で言ってしまえばボンボンなオタク系の感じの親子であった。
中々大きな車の最後部座席には大量のプラモデルがあり、何と車の中にテレビとゲーム機が設置されており見た目の期待を裏切らない車内風景であった。
男の子は車中でカーレースのゲームをしているのだが、失礼にもあれには爆笑してしまった。まだRPGやシューティングゲームをしているならともかく車の中で車のゲームをしているなんて・・・。
「前向いてみろよ。高速道路では現実のカーレースが行われているんだぜ?もっと有意義な時間を過ごせよ。そんで俺らの事無視すんなよ。ていうかせめて親父とは話せよ」って本当に色々言いたかった。でも言えなかった・・・。
暗く静まりかえる車内の雰囲気にも耐え静岡に到着。
まだ半分も来てないんやなと思いながらも、静岡まで来た事を喜びに石原と2人で記念にコーラを買って乾杯をした。

ここから地獄が始まるとも知らずに・・・。


<エッセイ3に続く>

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